かぼちゃいも日和◎

たわむれごとの記録

さくらんぼとぼたんとひなげしの話

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うちの庭にはさくらんぼの木がありそれが今たくさんの実をつけている。
最近まで知らなかったことだけど、さくらんぼの果実が実るには他家受粉(別個体の花粉を受粉させること)が必要で、一本の木だけでは実がならないそう。

庭のさくらんぼも一昨年くらいまで一本だけで、春にきれいな花を咲かしはするものの、実の方はごくまれにひとつふたつ見つけるくらいだった。
いつのまにかその横に小さな木が生えていて、勝手に生えてきたのかなすげーなって思ってたらそうじゃなくて、新しく植えたのだそうだ。

 

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その効果あって、今年は枝のどこを見ても青い小さな実がいっぱいぶらさがっている。ふしぎ!と思ったけど仕組みを考えたらごくあたりまえのことなのかな。

むしろ自分の花粉だけで自分の実を実らせること(自家受粉)の方が人間の常識からすればすごいことだ。ナマコでさえ雄雌あるのに…

熟し方にはバラつきがあるので、赤くなった実は一日に5個採れる程度でそのほか鳥に食べられた実や手の届かない場所にある実などだけど、それまでは花を愛でるだけの木だと思ってたのに今になって数年分の恩を返されてる気分だ。わたしは何もしてないけど。

 

 

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今はぼたんの花も真っ盛り。
初めてぼたんという花を見たとき、美しすぎてすこしこわかった。薔薇よりも美しい花があるんだな、と思った。

大きな花のつぼみはその花以上に攻撃的に見える。
「咲くぞ、今に咲くぞ」という感じ。花がいちばん緊張する時なんだろう。
…昔通学路に生えてるひなげしの花のつぼみをむしって中のはなびらの色を確かめて遊んだことがあるけれど、思えばけっこう残酷だ…でもひなげしのつぼみはぶさいくでかわいい。

そういえばぼたんの花の美しさを知って以来、「ぼたん色」の折り紙は少し特別な色だった。金と銀の次くらいに。
いちばんどうでもいい色は肌色だったな…(ひなげしみたいな色だった)

ぼたんの話してたのに気持ちが完全にひなげしに傾いてきた。
けなげな花です…