家の裏でウシガエルが鳴いてる
(一部生々しい表現があるかもしれません)
ぶーぶー。
カエルが鳴くのは求愛行動だというけれど、ここのところ毎晩近所で鳴いているウシガエル君はおそらく、いや確実に一匹しかいない。
いつも一匹。
ウシガエルの声は存在感がすごいので、何気なく聞いてるだけでもそのくらいの推測はできてしまう。そう思うとなんだかとても寂しげに聞こえてくるから哀れだ。
そして毎晩鳴いている。
鳴き声が聞こえ始めたのはつい最近、久しぶりに雨が降った翌日あたりからだったので、どこかの用水路から流れてきたのだろうと母が言っていた。
カエルの寿命ってどれくらいなんだろうか。
夏が終わる前に彼は別の個体と巡り合うことができるのだろうか…
雨降りの次の日は交通事故に遭ったカエルの死体が必ず出てきて、通学路がグロ注意状態だったのはもう何年前の思い出だろう。もちろんウシガエル。
アマガエルくらい小さいのはぺったんこになってても正直存在感はないけれど、ウシガエルのぺったんこはぺったんこどころじゃ済まない…
ここ数年は本当にカエルが減ったので、あまりそういう光景は見ません。
でもカメは相変わらずよく見る。カメはとても散らばります。あいつら硬いから。
こういう場合よく話題にあがるネコなんかは近所ではめったにないけど、一度だけちょっと見てられないのがあったので家の前の草地に埋めたことがあります。
カメは放っておくけどネコは埋める。線香もあげる。それが人間
でも、埋めたとしても放っておいたとしても、死んだものは時間の経過とともに上手に風化していきます。散らばったりカリカリになったりしながら、やがて晴れた日の風にのって飛んでいく。
まるで消えていく残像のようなそれは、なんだかそんなに寂しげでもないです。
人間以外の生き物の多くは、あのネコみたいに弔われることもなく、ひとりで死んでいくのが当たり前なんだろうな。
孤独なウシガエルはまだ鳴いてる。でも鳴き声が少し遠くなったから、移動してるんだろう。
車には気をつけろよ。